ライドは、1988年にロンドン北東部にある中核都市オックスフォードのはずれにあるバンベリーの美術学校の音楽コースの学生、マーク・ガードナー(ギター・ボーカル 当時19才)、アンディ・ベル(ギター・ボーカル 当時18才)、ローレンス・コルバート(ドラムス 当時18才)がスティーブ・ケラルト(ベース 当時20才)を誘い、結成された。
学校やスタジオに集まり4人で音を合わせ、二か月後のクリスマス・パーティで初めてのライブを行う。
バンドの初めの目標は、オックスフォードのパブでよそのインディーバンドのサポートをする程度のものだったという。
しかし、バンド練習とオリジナル曲のデモテープを作りギグ(ライブ)をやるうちにインディーズの音楽業界の人たちの目に留まるようになり、7,8回目にやったギグを見たインディー・レーベルのクリエイション・レコードのアラン・マッギーの目に留まり、レコード契約を結んだ。
これが、ライドがイギリスひいては世界の音楽シーンの表舞台に上がる始まりとなった。
ライドの特徴は、アンディ、マークの二人のボーカルが共に澄んだ優しい声をしていること。また、4人は様々な音楽から影響を受けていたものの、ビートルズや初期のストーン・ローゼズが自分を変えたと語るアンディ・ベル他、美しく、かつキャッチーなメロディーをバンドが鳴らす主軸に据える方向性で一致したことだろう。
もちろんジーザス&メリーチェーン、エコー&ザ・バニーメンなどのノイズポップ・ドリームポップ寄りのサウンドを踏襲したという見方もできるが、イギリスにもレッド・ツェッペリンから始まるハード・ロックやメタルの歴史はある。必ずしもレコード契約を目指していた訳ではない田舎の美大生たちがあくまで自分たちのやりたい音楽を始めた結果が、後のシューゲイザーの萌芽を生んだと考えるのが自然だと思われる。また、バンドの初期は自分たちの演奏能力の拙さを隠すために、ノイジーで大きな音をギターで出していたとマークは語っている。
そして、蛇足にはなるものの、ライドの特徴は皆、好青年のルックスをしていることだろう。日本のUKロック・ファンの中にはライドの音楽性とともにメンバーのルックスから、彼らの音楽に「青春」を感じる人も多いようだ。僕も、「バンドと言えば」と言われたときには、キラキラ、青春という連想からライドを思い浮かべることが多い。
※のちにライドには亀裂が走り解散に至るが、ここ5,6年の間に再結成して活発にレコードをリリースしているので良しとしましょう笑
写真手前がスティーブ(ベース)、左がマーク(ギター&ボーカル)、右がローレンス(ドラムス)、奥がアンディ(ギター&ボーカル)。ライドの楽曲はマークとアンディを中心として作られた。トータルで見ると、アンディが一番多い。